トワイライトエクスプレス瑞風の車両側面にある「キサイネ」とは何でしょうか?
これは車両形式といって、どんな車両かを表す記号です。
実は、このカタカナや数字にはちゃんとした意味があります。
ここでは、車両形式のカタカナの意味とトワイライトエクスプレス瑞風はどんな車両なのかを車両形式から見ていくことにしましょう。
トワイライトエクスプレス瑞風の「キサイネ」の「イ」は一等車
まずは、トワイライトエクスプレス瑞風の「キサイネ86-201」を例にして見てみましょう。
「キサイネ」の「キ」は気動車。
気動車とはディーゼルエンジンを動力とする車両です。
「キサイネ」の「サ」は付随車。
付随車とは運転台のも動力もない車両をいいます。
「キサイネ」の「イ」は一等車。
現在、一等車は存在しないので正確には旧一等車ですが、ここではあえて一等車とします。
「キサイネ」の「ネ」は寝台車。
ということで、「キサイネ」は「気動車の付随車で一等寝台車」を意味します。
「キサイネ86」の「86」は形式番号です。
トワイライトエクスプレス瑞風の形式は87系で、形式番号は87と86があります。
「8」は特急形、「7」と「6」は運転台の有無で区別されます。
運転台のある車両に奇数(瑞風では「7」)、運転台のない車両にはその数字より1減じた偶数(瑞風では「6」)を用います。
なので、「キサイネ86」は「運転台のない気動車の付随車で一等寝台車」を意味します。
「キサイネ86-201」の最後の「201」は製造番号です。
車両形式のカタカナの意味
車両の側面や車内で見られるカタカナと数字を組み合わせた文字列を車両形式といいます。
トワイライトエクスプレス瑞風は気動車の一種なので、ここでは気動車を中心に車両形式のカタカナの意味について見ていきます。
動力・運転室の有無
「キ」=気動車:運転台の有無を問わず、動力(エンジン)のある車両
「サ」=付随車:運転台も動力もない車両
「キサ」=気動車の付随車:気動車で運転台も動力もない車両
ちなみに電車の場合、
「ク」=制御車:運転台のある車両
「モ」=電動車:動力装置(モーター)のある車両
「クモ」=制御電動車:運転台と動力装置のある車両
車両等級
「イ」=旧一等車(現在、一等車は存在しない)
「ロ」=グリーン車
「ハ」=普通車
上のクラスから順に「イ・ロ・ハ」と付けられました。
車両設備
「シ」=食堂車
「テ」=展望車
「ネ」=寝台車
「イネ」=一等寝台車(一等寝台車は過去の名称)
「ロネ」=A寝台車
「ハネ」=B寝台車
「ラ」=ラウンジカー:瑞風用として新設
トワイライトエクスプレス瑞風の全車両形式
トワイライトエクスプレス瑞風は10両編成です。
動力方式は、ディーゼル発電機にて発電した電力とバッテリーアシストによるモーター駆動のハイブリッド方式。
ディーゼルということで、車両形式はすべてに気動車の「キ」を用いています。
キイテ87
一等車の「イ」
展望車の「テ」
運転台があるので87の「7」
先頭と最後尾に連結されている運転台付きの展望車です。
キサイネ86
付随車の「サ」
一等車の「イ」
寝台車の「ネ」
騒音と振動を避けるために、寝台車にはディーゼルエンジンと発電機が搭載されていません。
トワイライトエクスプレス瑞風は超豪華な寝台車です。
A寝台(ロネ)のさらに上位の寝台ということで「イネ」が用いられています。
キシ86
食堂車の「シ」
「ダイナープレヤデス」という旧トワイライトエクスプレスの食堂車と同じ名称が付けられています。
キラ86
ラウンジカーの「ラ」
「ラ」という車両形式の記号はトワイライトエクスプレス瑞風のために新設されました。
「サロン・ドゥ・ルゥエスト」という名称が付けられています。
さいごに
トワイライトエクスプレス瑞風の車両形式「キサイネ」の意味についてでした。
他に「キイテ」や今回新たに「キラ」という形式ができたり。
「イ」が付くということで、グリーン車の「ロ」やA寝台の「ロネ」のさらに上の超豪華な列車ということがよくわかります。