尾久車両センターに留置されていた24系寝台客車「オロネ25-7」が2021年3月に廃車となりました。
これにより、24系25形の個室A寝台客車「オロネ25-0番台」がすべて消滅しました。
この記事では、オロネ25-0番台の製造~改造~廃車までの変遷について書いています。
オロネ25-0番台が全廃車
オロネ25-0番台とは全個室のA寝台車。
東京発着の寝台特急が、24系客車(3段式B寝台)から24系25形(2段式B寝台)化されたのに伴い登場しました。
オロネ25形でいちばん最初に登場した形式なので0番台となっています。
1976~78年に12両が製造され、1人用個室が14室、間口1150mm、奥行き1950mmの個室内に幅700mmのソファベッドが枕木方向に並んでいます。窓側にテーブル兼用の洗面台があり、照明と冷暖房は各個室で調節可能となっています。
改造による改番・形式変更により、0番台として残ったのは「オロネ25-3・7・9・10」の4両。
このうち、オロネ25-3は1996年、オロネ25-9・10は2006年に廃車となりました。
最後まで残ったオロネ25-7が2021年3月に廃車となり、オロネ25-0番台がすべて消滅しました。
オロネ25-7が最後まで残ったオロネ25-0番台
オロネ25-0番台は12両のうち8両が改造され、改番および形式変更となりました。
なので、0番台として残ったのは4両。
4両のうち3両は2006年までに廃車となり、最後まで残ったのが尾久車両センター所属のオロネ25-7でした。
オロネ25-0番台は12両製造
オロネ25-0番台は、1976~78年に12両製造され、「はやぶさ」「富士」「出雲」に連結されました。
12両のうち8両改造|改番・形式変更
オロネ25-0番台12両のうち、8両が改造され改番または形式変更されました。
オロネ25-8・11・12はオロネ25-701~703へ改番
オロネ25-8・11・12の3両は、「あさかぜ1・4号」のグレードアップ車両として改造。オロネ25-701~703へ改番されました。
改造は、アコモデーション(接客設備)を豪華仕様に変更し、個室内のクロスや化粧シートの交換、寝台灯の改良が実施されました。
喫煙室にオーディオ装置を設置し、BGMやニュース放送を各個室に提供可能にしています。
オーディオ装置を搭載したオシ24-700番台との電気系統の引き通し回路の関係で700番台に改番となりました。
オロネ25-1・2・4~6はオロネ15-3001・3002・3004~3006へ形式変更
オロネ25-1・2・4~6の5両は14系に改造され、オロネ15-3001・3002・3004~3006へ形式変更されました。
「はやぶさ」「富士」に連結。
「はやぶさ」は「さくら」と併結運転を行っていましたが、「さくら」廃止に伴い「はやぶさ」は「富士」と併結されました。
その際、編成全体を14系寝台車に統一したため、オロネ25-0番台を14系化に改造。
改造は、電気系統の引き通し回路の変更程度で寝台設備は種車のままです。
番号は元番号に3000を加えただけなので、3003は欠番となっています。
12両のうち4両は改造なし
オロネ25-3・7・9・10は改造なしの純粋な0番台。
オロネ25-3は「はやぶさ」、オロネ25-7・9・10は「出雲」に連結されていました。
2010年までに11両が廃車
オロネ25-3は1996年、オロネ25-701~703(旧オロネ25-8・11・12)は2003年、オロネ25-9・10は2006年、オロネ15-3001・3002・3004~3006(旧オロネ25-1・2・4~6)は2009~10年にそれぞれ廃車。
2010年までに改造車も含め、12両中11両が廃車となりました。
まとめ|オロネ25-0番台は改造車も含め全廃車
最後まで残ったオロネ25-7が2021年3月に廃車となり、オロネ25-0番台が改造車も含め、すべて廃車となりました。
オロネ25-7はすでに解体された模様。
さようなら。尾久のオロネ25 7
— KOKI (@UT81113) February 25, 2021
人知れずこっそりと解体され形式消滅😭 pic.twitter.com/SKrS3r0KsQ
オロネ25-0番台で現存する車両はないと思われます。
唯一、大分県日田市にある日田天領水の里 元氣の駅内「寝台特急富士展示場」に保存展示されていたオロネ15-3005(旧オロネ25-5)も解体されました。
オロネ25は、個人的に鉄道博物館などで保存展示してほしい車両でした。
【参考文献】ブルトレ新系列客車のすべて (イカロス・ムック)